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この店は平等院入口のすぐ近くにある。 この辺りには何軒か甘味処があるが、 この店は伝統を取り入れた現代建築で他と違いをみせている。 中は小さく、一方の壁に常連客用に茶葉のキープをする箱が並んでいる。 茶葉のキープは京都の他店でもやっているところがあるようだが、 お店の雰囲気としては、なじみを大切にするから、 やや内向きのものになりやすいであろう。 反対側の壁にはこの店の茶と現代的な茶器作品が並んで売られていた。 ホームページは http://www.akamon-chaya.com/ 。
宇治の小さな茶店が甘味処を開くのは珍しい事ではないが、 この建物はユニークな主張になっていると思われる。 現代建築家が親しみ深い空間を作り出そうとしている。 茶舗だけあって、甘味メニューの先頭に玉露、煎茶、抹茶メニューが並ぶ。 最初に訪れた時には、まず小さな器で茶を出してくれた。 水出し茶で、その茶殻を使った箸休め風の佃煮も披露してくださった。
この店の言う通りに家で玉露を淹れてみた。 今まで私達がやっていたのと全く違って、ふんだんに茶葉を使った。 よく言われるより、もっとお湯は低温。 小さな急須に茶葉を敷き詰めた上に、ほんの1cm上乗せするようにお湯を注ぐ。 葉が開いたら湯が隠れてしまう。ほんの少しのお茶が出てくる。 おいしかった。 中国茶でも凍頂茶などの高級なものは、低温で茶葉をふんだんに使って淹れる。 いずれもかなりの贅沢に思えるが、少しずつ何度も淹れられる。 こうしてみると、玉露ももともとは中国から来たという事がよく分かる気がした。
ためしに Google で「赤門茶屋」と引いてみると、 平等院表参道商店街の紹介によれば創業250年とある。 代々やってきた由緒ある店だと分かる。 また、ここの主人が「京おんな塾」の塾生であったことが分かった (こちらを参照)。 京おんな塾卒業生のビジネスといえば、私たちが 京のお菓子味見録 で紹介している 京みずは もそうである。
| 場所: | 宇治平等院へ向う参道の商店街がとぎれた所で左に折れた左側(宇治市宇治蓮華21) |
| 電話: | 0774-21-2058 |
| 休業: | 木曜(営業することもあり) |
| 掲載例: | |
| 訪問日: | 2005/08/03、2005/11/30 |
| 値段と説明: | 700円税込。 |
| 評点: |
4.0
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抹茶あいすは、抹茶を実際に点てたところに自家製アイスクリームを載せて、 小豆(小豆煮)を載せている。 抹茶は大変にソフトな味に思えた。苦味が気にならず、香りはとてもまろやか。 下で紹介している宇治しのぶ(宇治金時)もそうである。 抹茶の香りというか風味がすごくソフトなのが、これらのメニューの第一印象であった。
アイスクリームはプレーンというかバニラアイスなのだが、 何となく風味に傾向というか個性が感じられた。 小豆は、余計な味のしない小豆煮といった感じ。 刺激の少ないソフトな抹茶とこのアイスクリームの取り合わせは最終的に殆ど溶けて一体化する。 それを食べている私の印象は、「ソフトな水の味がする」というものだった。
中村藤吉本店のうじきんソフト もそうだが、宇治の抹茶を使ったものには、最終的に水の味がするものがある(と思う)。 この店が出している抹茶(「赤門」30g 2100円)も買って点ててみたのだが、 これも不思議と「水の味」を感じた。 そういうわけで清々しい感触(=水の味)とソフトさが、このお店の抹茶メニューの特徴かもしれない。
抹茶というのは、高級になるほど苦味が少なくなる。 但し高級とはどの程度のことか、これが問題である。 私の抹茶比較体験( 抹茶とお菓子の体験考 の下半分)では、一応全て苦味は「ある」。 私達が試したのは、せいぜい割にして 10g 1000円までのものだ。 その中でも高価な一保堂のもの、そしてそれに次ぐ上林春松本店、 丸久小山園のものは確かに苦味が少なかった。
しかしである。赤門茶屋の「抹茶あいす」や「宇治しのぶ」の抹茶のソフトさはその比ではないのだ。 更に、この店に二回目に来たとき「特上抹茶」を頼んだが(下記)、 実に刺激が少なかった。 この店の抹茶には 8000円のものがあった。多分 30g入りだ。とすると 10g 約2,700円程度。 この位になると、刺激がぐっと少なくなるものと思われる。 いやはや、何とも贅沢な世界だ。 更に、「抹茶あいす」や「宇治しのぶ」の抹茶は、 挽きたてだからあの独特のソフトさが出るのであろう。
いずれにせよ、 赤門茶屋のデザートにかかっている抹茶は他の甘味処と比べるとソフトで、 他に例がないから、その意味では個性的と言うしかない。 この店を試した後に 宝泉の青もみじ を試したが、抹茶にはしっかり苦味があった (邪推すると市販の10g 700円前後の味に思えた!)。 それでも青もみじの抹茶は、 私達が体験した甘味処が出す抹茶としては、実に高級な味の部類だったのである。
この抹茶の味はソフトなデリケートさがある反面、 おだやか過ぎてピンと来にくいと思う人もいるかもしれない。 抹茶が高級すぎて、却って評点をつけにくかった。 ただ、不思議と後から思い出す味であった。 これが良質の抹茶の魅力ということなのかもしれない。
同時にこの店の「宇治しのぶ」を食べた(800円税込)。 氷に挽きたての抹茶、小豆がかかっており、中に隠れるようにしてアイスクリームが入っている。 これも上で述べたように、かかっている抹茶の風味がソフトである。 この風味はデリケートであった。 全体印象としては、この柔らかい味を食べに来たようなものであった。
2005年の初冬にも赤門茶屋を訪れた。 上写真が「特上抹茶 茶菓子付」(1000円)、下が「濃茶ぜんざい ほうじ茶付」(800円) である。 特上抹茶は上でも述べたように実に刺激が少ない。 すすると、他の抹茶と同様に舌が収斂するような感じは確かにあるのだが、 それは「苦味」「渋味」としては感じなかった。 何というか、ほんのりした味の抹茶であった。 一緒に出た茶菓子は干し柿であるが、中がジューシーで熟成味のあるものだった。 こんなに味の整った干し柿には、なかなかお目にかかれない。
濃茶ぜんざいは、 濃茶と呼ぶにしては薄い感じ(濃茶は多少ドロリとしている)の抹茶の上に、 全体がうまく焼けた香ばしい餅、そしてゆであずきが乗っていた。 抹茶はこのお店の特徴として、さらっとした味だった。 ゆであずきは小豆の皮が強調されたもので、その皮に独特の味とかコクが感じられた。 全体印象としては、1つ1つのパーツ(抹茶、餅、小豆)は厳選された感じがしたけれど、 とにかく小さい。 夏に食べた「抹茶あいす」や「宇治しのぶ」の方が、食べがいがあった。

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